「スタートアップワールドカップ2026 九州予選」で優勝し、世界大会進出が決定しました
株式会社Piezo Sonicは、2026年10月6日に熊本城ホールで開催された世界最大級のグローバルピッチコンテスト・カンファレンス「スタートアップワールドカップ2026 九州予選」において、優勝を収めました。
全国約250社の応募から選出されたファイナリスト10社によるピッチコンテストを勝ち抜いた当社は、九州予選代表として2026年11月に米国サンフランシスコで開催される世界決勝大会への出場権を獲得しました。世界130以上の地域の代表と戦い、世界チャンピオンの座に挑みます。
本記事では、九州予選に至るまでの様子から本番の模様、そしてその後の反響まで余すところなくお届けします。

もくじ
スタートアップワールドカップとは
スタートアップワールドカップは、米ペガサス・テック・ベンチャーズが主催する、世界最大級のグローバルピッチコンテスト・カンファレンス。2017年より開催され、今回が8回目。世界130以上の地域で地域予選が行われ、優勝した企業は2026年11月にサンフランシスコで開催される世界決勝大会に招待され、世界優勝投資賞金約1億5千万円をかけて競います。
「モーションテクノロジーカンパニー」として広く知っていただくために出場
近年、生成AIやAIエージェントの進化により、AIが情報を解析し、判断し、提案することが当たり前になりつつあります。
しかし、AIがどれほど優れた判断を行ったとしても、その価値を現実世界で実現するためには、正確に動き続けるアクチュエータやロボットが必要です。人間で例えるなら、AIは頭脳であり、モータはロボットの筋肉です。
Piezo Sonicの超音波モータは、高精度な位置決め性能と高い信頼性により、センシングやAIによる判断結果を正確に実行するためのアクチュエータとして活用されています。

当社はモータ単体を提供するだけではなく、AIの判断を現実世界の価値へ変換する技術基盤の構築を目指す「モーションテクノロジーカンパニー」として展開しています。
9年目を迎えたスタートアップであるPiezo Sonic。スタートアップワールドカップは、そんな私たちの技術だけでなく、事業についても多くの方々にご理解をいただける場であると考え、エントリーを決めました。
本番に向け、30秒PR動画とPiezo Sonic Tシャツを制作
本番のピッチが始まる前に、30秒間の会社PR動画が流されるということを事務局からアナウンスされたのは8月下旬。9月初旬の提出期限までに動画を準備することとなり、社内のマーケティングチームで動画制作に取り組みました。
多田のピッチへとつなげる導入として関心を引き、なおかつ当社の目指す方向性を30秒間でわかりやすく伝えなければなりません。特に、ただ超音波モータやロボットの製造を手がける会社というイメージを伝えるのではなく、それらはAIの判断を現実世界の動きにするためのものであり、私たちは「モーションテクノロジーカンパニー」であるというメッセージが残るよう、映像からキャッチフレーズ、ナレーションまでこだわりました。
ナレーションは、当社の活動にご協力をいただいている、Nagase Future Investments株式会社 副社長の亀田 直誉様に担当いただきました。AIによるナレーションがいまひとつしっくりこないと悩んでいた矢先、日頃お付き合いさせていただく中で亀田様の声に惹かれたマーケティング部の社員の発案で実現しました。

声のトーンや速さ、協調すべき点など細かな調整を加えながら何度も収録。動画の印象を左右する重要な要素であるナレーションが、納得の仕上がりになりました。
さらに、今回新たにPiezo Sonic Tシャツを制作。「ステージ上でも目立てるデザイン」を軸に据え、マーケティング部でデザインしました。デザインの入稿期限が迫る中、マーケティング部の社員と多田で何度も調整を重ね、こちらも思い描いていた以上の仕上がりとなりました。

アドバイスを受け、大会前夜にピッチ原稿を大幅修正
大会前夜。協業パートナーである神田工業株式会社様をはじめ、当社の活動にご協力をいただいている方々との会食では、翌日のピッチに備えて多田に激励とアドバイスが送られました。
その中で多田がもらったのは、プレゼンの締めを世界にアピールする内容に変更することと、7月に発生した熊本地震の被害を受けながらも苦境に屈せず出場できたことをピッチで伝えたほうがいいのではないかというアドバイス。
熊本県八代市鏡町の本社は、7月の地震によって建物内が被害を受けました。幸いにもけが人はおらず、製造機器にも影響はありませんでしたが、水道が復旧する9月上旬まで稼働ができませんでした。一時はスタートアップワールドカップ九州予選への出場も危ぶまれましたが、神田工業様をはじめたくさんのご支援のおかげさまで、なんとか出場へとこぎつけることができました。

本番に壇上で投影するピッチの資料は提出済みのため内容変更はできない中、唯一変更できるものは原稿。最後の締めを変更することになったために、全体の帳尻を合わせるために他の部分の原稿も6割ほど修正する必要が出てきてしまい、本番前夜(日付が変わって当日)の深夜3時まで対応に追われた多田。そこから仮眠をとり、7時に起きて原稿の読み合わせ。原稿は覚えきっておらず、なおかつ睡眠不足……そんなハードな状況で当日の朝を迎えました。
ピッチ直前まで練習 緊張の大一番
会場は、熊本市内の熊本城ホール。商業施設やバスターミナルと直結した大きな会場に出迎えられ、緊張感が高まります。

会場内には展示スペースが設けられ、出場する各社が出展。当社も超音波モータ「ピエゾソニックモータ」や、自律移動ロボットMightyの実機を設置し、出場者をはじめ多くの方々にご覧いただきました。

会が始まり、会場の席に着いてからも、多田のピッチ練習は続きます。プログラムが進行する傍ら、多田はスマートフォンにメモした原稿を片手に暗唱。ピッチ登壇の声がかかるまで、練習は続きました。
そしていよいよ大一番。出場10社のうち、Piezo Sonicは6番目の登場です。東京・大田区の中央事業所でも、固唾をのんで多田を見守ります。

30秒の会社PR動画が流れた後、多田のピッチ「AIの判断を現実世界で実行するモーションテクノロジーの提供 ーAI時代のモーションを再定義するー」がスタートしました。

AIの判断を現実世界の価値へ変換する「動き」を支える、ピエゾソニックモータ。それがどのような世界を実現できるのかを伝えました。
3分30秒のピッチは時間との戦い。これまで多くの舞台でのピッチ経験がある多田ですが、後に聞くと、「緊張した」とのこと。それでも、何度も練習を重ねてきた時間が支えとなり、力を出し切ることができました。

Piezo Sonicのピッチをはじめ、スタートアップワールドカップワールドカップ九州予選の様子は下記よりアーカイブをご覧いただけます。当社のピッチは2:39:12~です。
念願の優勝! 結果を分けたのは「SNS票」
すべてのプログラムが終わり、HKT48によるパフォーマンスがあった後、いよいよ結果発表。ドキドキの瞬間です。
3位は、データ分析や人員・設備などのリソース配分を高速に最適化する量子AIクラウドサービスを開発する株式会社エー・スター・クォンタム。
2位には、後継者不在に悩む中小企業をM&Aでグループ化し成長させていく、食に特化した事業承継プラットフォームを提供する、まん福ホールディングス株式会社。
そして1位……
Piezo Sonicの社名がスクリーンに映し出されました!

「Piezo Sonic!」と社名が呼ばれた瞬間、多田は天を仰ぎ、そして驚きと喜びが混ざったような表情に。座席では、Piezo Sonicの関係者や社員同士がハイタッチや握手を交わしました。

優勝のあいさつでは、多田の目には光るものがありました。言葉を震わせながら、こう話しました。
「今回、このような素晴らしい賞をいただけてとても嬉しいです。ありがとうございます。
実は私たちは被災をしてしまい、ここに来れるかどうか……。いろんな人に支援をいただいて、ここにようやく立てました。賞もいただき、本当に嬉しい思いでいっぱいです。
本選でもしっかり頑張りたいと思います。ぜひ応援いただけるとありがたいです。よろしくお願いいたします。」


優勝の決め手となったのは、「SNS票」だったとのこと。
大会前から、スタートアップワールドカップのハッシュタグをつけたX投稿数が審査の加点になるとのアナウンスがありました。当社のマーケティング部では、大会前から連日X投稿を積み重ね、フォロワーの皆さまからの応援を呼びかけてきました。
こうした地道な投稿が、優勝という大きな結果に貢献できたことを嬉しく思います。
メディアの囲み取材を初体験 テレビ番組生出演も
閉会の後、多田はステージ上でメディアの囲み取材を受けました。囲み取材は初体験の多田。テレビ、新聞、ネットニュース各社に囲まれ、たくさんの質問がひっきりなしに寄せられました。

多田とともに取材に応じた、ペガサス・テック・ベンチャーズの創業者兼CEO アニス・ウッザマン氏は、「このテクノロジーがシリコンバレーで発表されれば、かなりアピールできると思う。まさに日本の精密機械がアピールできるひとつのいいきっかけになる」と当社に期待を寄せていただきました。

多田は「私たちの技術・製品は世界で他に類がない。熊本・八代から出ていく技術だが、世界で通用する製品だと思っている。私たちの製品や技術を知っている人が根本的に増えると嬉しい」と語りました。
大会後に始まる嬉しい悲鳴……。
本来、多田と社員は、スタートアップワールドカップ九州予選が開催された10月6日の翌7日に東京へ戻る予定でした。しかし、嬉しい誤算で、メディア各社からの取材の話をいただき、7日・8日と取材対応で熊本に滞在することになりました。もともとの予定を全てキャンセルして再調整。事業推進部のスタッフからも嬉しい悲鳴が出る状況になっていました。
7日はBS10様に取材をしていただき、サンフランシスコで開催される決勝戦も同行いただけることになりました。
8日は、午前中に朝日新聞熊本総局様に取材いただいた後、夕方のニュース「くまもと Live touch」に生出演するため、自律移動ロボットMightyとともにKAB 熊本朝日放送局へ。放送の2時間ほど前に局入りし、リハーサルを行いました。
番組のスタジオに入る際、スタッフさんからの「多田さん入りまーす!」という声に続き、「Mighty入りまーす!」という声が上がりました。

スタジオでは、田中杜旺アナウンサー、柴田理美アナウンサー、コメンテーターの株式会社Colori 代表取締役社長 長谷直達さんとともにリハーサル。
生放送、限られた時間のリハーサルともあり、現場は緊張感があるのかと思いきや、スタッフさんやアナウンサーはギャグを挟んだりと終始和やかな雰囲気。プロの仕事を実感しました。


番組は、アナウンサーらによる寸劇でスタート。田中杜旺アナウンサーが忘れてしまったニュース原稿をMightyが運んできてくれるというオープニングで始まりました。

スタートアップワールドカップ九州予選の現地のVTRが流れた後、トロフィーを抱えた多田が登場。超音波モータ「ピエゾソニックモータ」と自律移動ロボットMightyについて実機を見せながら紹介しました。


スタートアップワールドカップ九州予選での優勝のみならず、多数メディアでも取り上げて話題にしていただきありがたいとともに、受賞の反響の大きさを実感しました。
次なる舞台はサンフランシスコ 世界を相手に戦う
11月4日からは、サンフランシスコ・シリコンバレーでの決勝大会が始まります。準決勝で勝ち残った企業が決勝に進めるとのこと。本番まで残された時間はわずかとなりますが、日本代表としていい結果を残せるよう尽力してまいります。
AIがさらに進化し、機械やロボットが状況に応じて柔軟に動く時代には、その判断を現実世界の「動き」へとつなげる技術が、ますます重要になります。私たちは、ピエゾソニックモータをコア技術に、ヒューマノイドや人と関わるロボットなど、新たな領域でも求められる動きを実現していきたいと考えています。
私たちが目指すのは、フィジカルAIを支えるモーションテクノロジーのグローバルスタンダードです。世界大会を通じて、私たちの技術がどのような未来を切り拓けるのかを発信し、ともに挑戦するパートナーとの出会いにつなげていきたいと考えています。
今回の優勝は、お客様やパートナー企業の皆様のご支援があってこそ実現できたものです。熊本地震の後も変わらず支えてくださった神田工業様をはじめ、皆様に心より感謝申し上げます。
熊本から世界へ。私たちは、モーションテクノロジーでフィジカルAIの未来を切り拓いていきます。ぜひ、私たちとともに、その未来を実現していきましょう。


