超音波モータの開発ストーリーを、Piezosonic代表の多田がお伝えします。

超音波モーターとの出会い

私が大学に入った時代(1995年頃)は、回路設計、ソフトウェア設計、画像処理技術、機構設計などの総合技術としてこれからはロボットだ、と多くの研究者がロボット開発に取り組んでいました。

私の所属した研究室でも大学4年時にJAXAと共同で月面探査ロボットを開発するプロジェクトに関わることになり、そこで小型で電力が限られる月面探査ロボットに有用なモータとして超音波モータが候補に挙がりました。

その開発チームにおいて月面探査ロボットのための真空で利用可能な超音波モータを開発することが、小型・軽量・低消費電力でありながら複数のミッションを実現する探査ロボットのために必須の課題となりました。

小学生時代からの趣味で、私は組み立て式のDCモータを利用するラジコンに関わっていましたので、駆動原理に磁石やコイルを使わない超音波モータに強く惹かれ、「真空で利用可能な超音波モータの開発」を研究テーマとさせていただいたことが、私と超音波モータの出会いです。

JAXAとの共同開発を経て

JAXAと共同で超音波モータの開発を進めるにあたり、MRIなどの磁場環境や原子力発電所など放射線を浴びる環境でも正常に作動する上、軽くて力も強く、何より電気を切っても姿勢を維持できる超音波モータに、私は魅了されました。

この超音波モータの開発には回転型超音波モータの発明者である指田年生氏に協力をいただくことができ、熱・真空環境試験や放射線耐久試験、ロケットの打ち上げ振動を想定した振動試験などを経て、宇宙環境で利用可能な超音波モータの試作を進めました。

その後、より良い超音波モータを製品化したいという想いと、指田氏からのお誘いがあったことを機会に指田氏の会社に就職し、超音波モータの開発に携わってきました。

月面探査ロボット

PiezoSonic立ち上げへ

超音波モータメーカに就職して1年後には技術・開発部長の任につき、入社して約10年、継続して超音波モータとその制御回路、応用技術の開発を続け、学生の頃から数えると約20年、超音波モータの開発に関わっています。

その中でお客様や協力メーカの方々とメーカの枠を超えたお付き合いができるようになっていきました。同時に、自分の考える超音波モータとそれを利用した応用製品を作り上げたいという思いが、私の中で強くなっていきました。

そして、今までなかった超音波モータや人の役に立つ製品・技術を生み出すため、超音波モータとロボット技術のメーカとしてPiezo Sonicを立ち上げました。

超音波モーターの課題を解決

Piezo Sonicでは、モータの機構と材料を1から見直し、新型超音波モータとして新設計することで超音波モータの課題となっていた製品の寿命を大きく延ばす技術の開発に成功しました。(特許出願中)

Piezo Sonicの新型超音波モータ:PSMシリーズは、長寿命に加え、他社従来品と比べ最高トルクと制御可能回転数域が20%向上し、サイズは25%の小型化に成功しています。

一般環境で利用していただくことを想定したPSM-Sシリーズ、磁場環境で利用可能なPSM-Nシリーズをラインナップとして備え、軸サイズ・軸長の変更などのカスタマイズにも対応しています。

2018年度 モノづくり賞受賞

PSM60シリーズにおいては、工学系の学会として長い歴史を持つ精密工学会様にその技術が評価され、「2018年度 モノづくり賞」を賜ることができました。

また、PSMシリーズは超音波モータの短所であった寿命が大幅に延びたことで、現在dcモータやステッピングモータを利用されている製品の高トルク化・小型化・静音化のためのモータとして新たに選定候補に加えていただくことが可能となりました。

これから更なる発展を遂げる超音波モータと日本のものづくりの未来を、Piezo Sonicは技術とアイデア、協力メーカ様との「共創」によって支えていきます。

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